Monday, June 16, 2008

[Euro 2008] オランダが好調な理由

前回のWorld Cup決勝進出国であるイタリアとフランスを撃破して早々に決勝トーナメント出場を決めたオランダ。本当に好調だ。その好調として以下のようなシステムの変更が挙げられている。
  • 伝統の4-3-3システムから4-2-3-1に変更して、ファン・ニステルローイの1トップの下に強力な中盤(スナイデル、カイト、ファン・デル・ファールト、ロッベン、ファン・ペルシの中から3人)というシステムになり、それが機能している
しかし、個人的には以下の理由が大きいような気がしている。
  • 主力が白人選手のみで、これまでの人種間の対立がなくなった
古くはフリット、ファンバステンやダービッツ、ついこの間まで代表だったセードルフなど、オランダの中心選手には黒人が必ずいた。移動のバスでも彼らが後ろのほうを常に陣取るなど、オランダ代表チーム内には人種間の対立があった、というのは結構有名な話だ。今回の場合は、起用法をめぐってファンバステンと対立していたセードルフが代表を辞退した結果、この対立が無くなったという精神的な部分での負担軽減が好調な理由だと考えるのはどうだろうか。

人種差別や人種間の対立ということを表に出すのはタブーだが、実際は
まだまだ存在しているというのは間違いないだろう。例えば、同じ代表チームで戦っていても、出身地による意識の違いがあるフットボールのスペイン代表は有名だし(代表選手の出身地の内訳とチーム状態の相関を見てみると興味深いことが多い)、いまだに黒人が代表入りしていない南アフリカのラグビー代表、ごく一部を除いて水泳選手に黒人がほとんどいない、などなど枚挙にいとまがない。

これは現実なので仕方が無いと悲しむのも結構だが、こういった差別や対立がなくなるよう、一歩一歩前進するしかないのも確かだ。

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