Sunday, May 07, 2006

標準化に関する考察

OpenOfficeで採用されているOpenDocument FormatがISO26300として承認された。現在、OpenOfficeやKOfficeなどで採用されており、今後は政府などの調達で必要条件として入る可能性がある。しかし、Microsoftは別の道としてOffice2007のフォーマットをOffice Open XML FormatsとしてECMAへ提出しようとしている

標準化に関しては、古くはVHS対βマックス、最近ではBlueRay対HD-DVDといった動画保存フォーマットをめぐる争いが有名だ。βマックスがVHSに結果として敗北したのは、SONY以外がVHSを採用し、さらにアダルトコンテンツを見方につけたからだと言われている。その真偽のほどはさておき、フォーマットの標準化については、
やはりコンテンツの有無が重要なのは言うまでもないだろう。

今回のオフィスファイルフォーマットを巡る争いにおいてコンテンツとは何かというと、「既存のファイル」だと思う。特に企業の場合は、これまで作成した無数の既存ファイルと互換性があるかどうかが鍵になる。そういった意味では、OpenDocument Formatの旗色が悪いように見えるが、質の高いコンバータ(および、コンバートしていることを意識させないUI)さえあれば、充分に対抗できると思う。ただし、先に述べたように、MicrosoftがECMAへフォーマットを提出しようとしていることから、Microsoftのフォーマット自体がプロプラエタリでは無くなり、誰もが使用可能になる可能性がある。そうなれば、OpenDocument Formatは尻すぼみになる可能性がある。しかし、標準として提出されたフォーマットに「独自のエクステンション」を実装することでプロプラエタリを確保する可能性もあるため、いずれにせよMicrosoftが近い将来にECMAへ提出するであろうフォーマットが骨抜きになるかどうかを見る必要がある。

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