「なんでもデジタル化することで世の中が便利になる 」というのは現段階では妄想だと思う。今日、久しぶりにカラオケに行った時、曲を探すのが冊子ではなく、液晶付きペン端末になっていた。便利かと思いきや、一覧性が悪く、かえって目的の曲を見つけるのに時間が掛かる羽目に。また、冊子に指を挟んで複数のページを眺めながら曲を選んで…ということもできない。
あと、いわゆる電子ブック端末のモニター的なことを経験したが、先のカラオケの例のように、今の電子ブックは本の代わりにはなり得ないと感じた。理由は、「自分がどこまで読んだ」とか、「あと残りどの程度」というのを物理的に「厚さ」で感じられなかったからだ。また、電子ブックだと、分厚い本を読み終えたときの達成感とかも希薄なものになってしまうだろう。よって、今の電子ブックは、そういった触感的な要素があまり求められない新聞や雑誌といったコンテンツに目を向けるのが得策だと思う。
どうも年をとったせいか、保守的な意見になってしまったが、現状はデジタルとアナログは適材適所で使用され、アナログが全くなくなってしまう時代は当分こないように思う。例えば、保存スペースをとらないとか検索を主に使用するだとか、そういった用途にはデジタルでの保存が適しており、一方で、先にあげた本の例ような触感的な要素が多分にに含まれているものだとか、一つのものの中にある複数のページを頻繁に比較するといった操作を行うものについては、アナログの方が適していると思う。
現在でも紙の手帳やメモ帳が多く使用される理由は、メモの断片を継ぎはぎしたり、順番を並びかえたり、複数のページを自由に比較したりといった普段の操作をデジタルデバイスが提供できていないことに起因していると思われる。それはまさに、デジタルを使用したときの大きなディスアドバンテージである、「結果を表示するための装置が必ず必要で、その面積が限られている」を説明する良い例だと思う。
逆の発想をすると、そのディスアドバンテージを克服できれば、ものすごい発明だと思う。それをかなえるのは電子ペーパーなのか?自分の知的好奇心を満たすために、自分が生きている間に実現してくれることを祈っている。
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